大きな海の中で、枠に入ったままの青い魚
NAYヨガスクール体験記 -7         小林和之
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 魂(アニマ)

《・・・どうして今まで会いに来てくれなかったの?》 

最近、そんな声を聞いたような気がする。

こころみの途中成果か。

妄想に近いその呼び声に僕のこころはふるえた。

入り口は近い。

耳を澄ませば、振り返れば、手をのばせば、
ほんとうに触れられるような気がした。

あの日のまま、何ひとつ変わっていない声の主に。



遠く離れていたから。

きっと思わずそう呼びかけたのだ。


こころの深みから。


置き去りにされた場所から。


心の声はいつも思いがけない。


ほんとうに僕は不思議に思う。

少しおかしいのではないかとさえ。

けれど、僕にとってはかけがえのないものなのだ。



何だってするよ、と僕は言った。

思わずそう言ったのだ。



そこへ行くためになら、きっと。


この世の誰にも聞こえない。



けれど僕のこころをふるわせるたったひとつの声。



きっと誰も正気の沙汰とは思わないだろう。



けれど声は届いた。



この世の何よりも美しい声が。



だから、行ってみよう。

入り口すら知らないけれど。

もしかしたら、会えるかもしれない。

……あの日、生き別れた妹に。





…………… …………… …………… ……………
※追記;

魂(アニマ)は〈たましいの女性形〉。

対になる
〈たましいの男性形〉は、精神(アニムス)。

ユング心理学の〈元型(アーキタイプ)イメージ〉です。  

        NAYヨガスクール記。

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