大きな海の中で、枠に入ったままの青い魚

NAYヨガスクール体験記 102
                     小林和之
直線上に配置

おかえりなさい


自分のこころを覆う 常識というものから遊離し、
ときどき俯瞰して 見えるような気がする時がある。

常識というものは、
その時代の その国で、
個別な自分が、
「自分にふさわしい」と願い、叶えたり、挫折したりした結果、
その人に与えられた 人間関係や境遇 そのものなのだろう。

きっと そのほとんどが、
そのときに 「このくらいかな」と
自分で 受け入れたものなのだと思う。


 つまり その人の限界であり、
妥協であり、保身でもあったはずだ。

そうして出来上がった 人の社会的な位置づけは、
階層のように折り重なり、
連帯や 隷属や 労使や 主従のようなかたちで
網の目のようにつながり、
作用しあっているのだろう。


時代の大きな流れのなかを、
同じように 世界が見えている人々どうしで集まり、
渦巻いたり、支流を生み出したり、
時に沈殿したりしている。

清い川のはじまりに 見ていた流れとは、
もう世界は、ずいぶんと違うかもしれない。

時代とともに 共有されていた常識や
こころの持ちようのようなものも、
新しく吹き込まれ、勢いづく急流に
やがて押しやられていくのだろうか。

しかし それらの常識もまた、
実は 個別的なもので、
本人が受け入れた結果であり、
また、本人が選んだ人々の潮流なのだ。

だとしたら  これからの  僕の答えは  簡単だ。

自分で  自分を 縛り付けている  常識を
過去の遺物として  見送ることだ。

殻を  脱ぎ捨てるように。

何も  反社会的になる 必要はない。

常識が 崩れ出している
この不確かな世界に、
自分の信じる価値を 生み出し続けるのが いい。




 こんな風に
外へ 外へ と 現実法則のなかに  身を置き、
貪欲に 学びながら、
日々  インプットとアウトプットを  繰り返している。

最近は  と言うと、
もっともよく読む本は 自己啓発の類いとなり、
楽しいは、楽しいのだけれど、
何だか段々疲れて来てしまった。




 そんなとき、
仕事の関係で  やり取りしていた 年配の女性から電話があった。

最初は  普通の方かと思っていたが、
少し 様子がおかしく、精神的に 病んでおられる方のようだ。

僕は よくそうした方と つながることが多い。

お会いしたこともない この方は、
電話の向こうから  ほぼ一方的に話し続ける。
気分が高まって 泣き出したり、そうかと思えばくすくすと笑い出したり、
僕は早めに電話を切りたいのだけれど、切り出す暇さえない。

延々と  SNS で出合った人たちとの交流や
自分が仲間はずれにされていること、
特別な才能を持つ自分に嫉妬する人たちがたくさんいること。

光になる人と、光が消えてしまった人のこと。
影の使者は、姿を見せずに  私を利用するの、
と話し続け、
でも私は、みんなに言いたいの、これだけいいたいの、
おかえりなさいって、
おかえりなさい、
・・・言いたい。おかえりなさい・・・。
電話の向こうで すすり泣き、またすぐにくすくす笑い出す。 


「おかえりなさい、おかえりなさい・・・! 
そう言いたいの」
という声が とても真剣で、切実に聞こえて、
あっけなく 胸を打たれてしまった僕は、
それが  何だったのか しばらくわからなかったのだが、
電話を切ったあとで、思い出した。


昔、景代先生に勧められて見た演劇だった。
新宿梁山泊の題名は忘れてしまったが、
確か 海を越える蝶を モチーフにした物語だったと思う。

濃い暗闇の 沈殿するテント劇場のなかで、
僕はと言えば、演じる物たちとともに
息も絶え絶えに 道に迷い、ともに歩いた。

憶えている限り、救いのないような物語だったが、
それは また僕自身でもあった。

舞台も  もう終わりに近づき、すでに幕も降りたあとだろうか。
リヤカーを引く狂言回し的な男と一緒にいた
目の見えない女の子が、ひとり舞台に現われると、
はらり、と目隠しを取り、
ともに暗闇を歩き続けていた見えぬ目で。

会場の人々に
「おかえりなさい・・・!」
と言うのだった。

光を通さぬ美しい瞳に、
喜びと哀しみを同時にたたえて。


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NAYヨガスクール体験記 102  「おかえりなさい」

※追記: 内藤 景代 (ないとう あきよ)記

《海を越える蝶を モチーフにした物語だった》
はい。
オルゴールの箱を開き、響きがきこえると、
「蝶々が 一匹 ダッタン海峡を 渡っていった。
 (てふてふが 一匹 韃靼海峡を渡って行った)」
と、黒いマントの詩人がうたう幕開けでした。

蝶(ちょう)をガラス・ケースの中で飼っているヒロイン。
息を吐きかけながら 毎日 ガラスを磨く美しい女性。
新宿梁山泊のスター女優だった故・金 久美子さんが演じ、
「蝶ばかり大事にして」と うとまれる理不尽さを熱演……。 

蝶は、目に見える 現実(リアル)にある蝶と、
目に見えない たましい(魂)の象徴(シンボル)としての蝶‥
その両方をあらわして、錯綜する物語をつむいでいました。

だから、お芝居を見ていると胸が苦しく切なくなりました…。

「おかえりなさい・・・!」
という“言葉”は、
「たましい(魂)のふるさとへ ようこそ おかえりなさい」
と、わたし達・観客に語っているように、
わたしは感じ、記憶しています。
数十年前のことで、あいまいな想い出ですが…。

そのとき、あの芝居をすすめた 別のかたから、
「蝶が たましい(魂)の象徴(シンボル)なんて知らない。
それがわかっていたら、別の見かたができたのに!
なぜ、芝居で そうはっきり言わないのだ。ダメな劇団だ」
と いわれ、、、唖然(あぜん)とした記憶があります。
 賢いかたですが、A=Aの論理学で固まっていらした‥
蝶が魂の【メタファー】(暗喩)に[見立て]られてきたことを認めない‥

そういうこともあるので、以下の本を書いています。
日本の本土から、台湾まで「海を渡る蝶」をカバーにして。
その蝶はアサギマダラ(浅葱斑 あさぎまだら)です。 ↓
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※※A=Aの論理学については、こちらへ ↓↓
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→自同律=同一原理 princeple of identity =I D アイディ (→アイデンティティ ☆「
自分がイヤ……私 ≠ 私  A ≠ A 」と論理学。◎犬であることがイヤ(→スヌーピーの人気 ●『わたし探し・精神世界入門』内藤景代・著 Who am I ?】
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