大きな海の中で、枠に入ったままの青い魚
NAYヨガスクール体験記 63
                     小林和之
直線上に配置

炎の影


 一昔前、今と同じような時期があった。

人とうまく行かず、
また何をしても、
誤解が生まれ、
物事がうまく行かない。

組織のなかの
自分の立ち位置も不安定で、
いかんともし難い。

僕は、誰にも相談せずに、
その組織から離れた。
正しい判断だったと思う。

実際その後、
充実した時間が訪れ、
大切な人との出会いがあり、
驚くほど状況は好転して行った。

 今、思い出したが、
誰にも相談していなかったわけではなく、
確か、景代先生にはお伝えした。

そのとき冥想をしていて、
もくもくと渦のような炎が燃え、
お寺のお不動様のようなものが見えて驚き、
それも一緒にお伝えしたと思う。


 景代先生は、
「軍荼利明王(ぐんだりみょうおう)、
あなたのこころのエネルギーよ」

みたいなことをおっしゃられた。

その言葉は
燃え盛る炎のイメージと重なって、
とても印象に残り、こころの励みになった。


 その頃、
僕はたびたび、想起するイメージのなかに、
黒い服を着ている人の姿を視ていた。

それは、病院の廊下に飾られているような
大きな西洋画で、
僕は
その絵のなかの街並を眺めている。


石畳の描かれる古い絵の縁に、
気がかりなその影は映っていた。

煉瓦造りの建物の窓から、
黒いマントのようなものを着た人影があって、
こちらを見ているのだ。

僕は、
その絵を描いた画家のこころを
不思議に思う。


「何のために、
こんな物言いたげな影を
わざわざ窓に描き入れたのだろう?」
 


 そうした想起は、
しだいに多くなり、
僕が生み出した絵のなかの影は、

ある時はズームで、
またある時は、
窓から出て、街の通りに立っているようになった。

気がかりな影はいつも無言であらわれ、
少しづつ近づいている。


やがて影は、
傘立てに潜み、
通り過ぎる踏切の人影に紛れ、
不吉な暗示をいくつも残して行った。

暗い階段に響く足音。
枯れた花壇。
青ざめる人々の噂話となって・・・。



 僕は、
病院の廊下にある絵の前に立ち、
意を決して、
絵のなかへ入り込んだ。



 見慣れた街のなか、
石畳の道を歩き、
絵の世界の隅へ向かう。

しかし、
確かに窓に描かれいたはずの
影の姿は消えている。

足音に振り返った。

影は立っていた。



「正体を見せろ」



 影に向かい
歩いて行った僕は、
黒いほっかむりをつかみ、
はぎ取った。


辺り一面に
音を立てて
絵筆やイーゼルなどの画材道具が
石畳に散らばった。


黒いほっかむりを着ていたのは、
たくさんの画材道具とともに、
石畳に倒れ、
青白くやせ細った
白い服を一枚着ただけの少女だった。


 幼ごころ、

それは、
まんがを描くのが好きだった
子どもの頃の
僕のこころだ。



あまりにも遠く離れて、
置き忘れてしまっていたのだ。



 その後、
これは本当の話だけれど、
僕はそうしてできた
人生の隙間のような時間を使い、
子どもの頃、よく描いていた漫画を
一作本格的に描きあげた。

その時間はとても充実したものだったが、
投稿した作品は、残念ながら落選した。

けれど内容は気に入っているので、
いずれまた、何らかなかたちでリメイクしたいと思う。

☆~☆~☆-----------------------☆~☆~☆

※追記: 内藤景代 (Akiyo)記

☆「炎の影」(ほのおのかげ)

瞑想(冥想)的なイメージですが、
絵本や物語、演劇の舞台や、映画の1シーンのように、
ありありとカラフルに目に浮かびます。

英雄的な決意をして、
影(シャドー)に立ち向かう、若き日の和之さん。
かっこいいです。

黒い布の下は、
幼い白い服の、少女。
アニマですね。

魂(アニマ)は〈たましいの女性形〉。
ユング心理学の元型イメージで、
対になる〈たましいの男性形〉は精神(アニムス)。

精神(スピリット=アニムス animus)が置き去りにした、
こころ(心)の分身。
それが、白い少女。「アニマ(魂)」。
抱きしめてあげたくなる、かよわく、やわらかい、こころ(心)の領域。

とても、ドラマチックで、普遍的なイメージの物語といえましょう。

《気》の波長にシンクロ(共感・共時)するかたもいるのでは?

ゴシック的な絵や映像で、見たいです。

どなたか、創ってくださいませんか((笑))


ユングの心理学的な「シャドー(影)」は、
【闇】や黒の世界だけでなく、
《光》や白の世界も、あるわけです。

とくに、自分の[弱点、暗黒部分、闇、欠点]を
[劣等感]として感じているとき、

逆に、かよわく[白い少女]で、瞑想(冥想)イメージに
でてくることがよくあります。
【闇】ではなく、《光》の象徴(シンボル)として。


軍荼利明王(グンダリみょうおう)は、体内に眠る潜在的な力、
クンダリーニを密教(仏教)的に〔かたち〕にしたもの。
〈龍の力〉です。龍は、無意識の力のシンボル(象徴)。

「とぐろを巻いた蛇」の力のイメージで象徴します。
英語では「サーペント・ファイヤー(蛇の火)」。

詳細は、こちらへ。 ↓↓↓↓
http://www.bigme.jp/000-000-03-07/03-07-09/03-07-09.htm

2003年7月9日(水) 
入間川の水がふえると、消える石橋。
軍荼利(グンダリ)神社。クンダリ−ニの当て字
ヨガ宗、真言密教。軍荼利明王、不動明王。
龍の力、渦をまく「へびの力」。赤い力 チカラ、赤い渦巻き。ONとOFF。
龍をのりこなす「冷−暖−熱」。
「魔法使いの弟子」の失敗。
「クンダリ−ニ信仰」の危険。
まっ赤なダリア 
『ゲド戦記』   龍のひと

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