大きな海の中で、枠に入ったままの青い魚
NAYヨガスクール体験記 41
                     小林和之
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 夢のほとんどは、とりとめもなく、
不条理で、意味もよくわからない。

見たい夢を見られるわけでもなく、
意識の力では、到底コントロールできない。

昔、夏目漱石の「夢十夜」という小説を読んだ。

確か高校の国語の教科書だったと思う。

「世の中には、やはり夢を書き留める人がいるのだ」と思った。

黄泉の世界のような漱石の「夢十夜」。

独特なその世界に、僕は、興味を持った.

それは、やがてユングにつながるのだが、
読んでもあまりよくわからず、
景代先生の「BIG ME 〜こころの宇宙の座標軸〜」に出会って、
ようやく「そういうことだったのか」と理解の入り口に立てた気がした。

わかりやすかったのだ。

 夢は、不条理でよくわからない、と言った。

けれど、自分なりに、何らかの法則と作用を感じることがある。

数多ある「夢と無意識」の解説をするつもりはない。

生まれて、今まで生きて来て、
僕が見た夢のなかに、特に印象に残るいくつかの夢があり、
ときおり、無言の計らいのようなものを感じるのだ。
 
神秘性の立ち込める自然界の法則通りの理性的世界。

そうした夢を見ることは少ないが、
見るときには、
ある共通点がある。

それはのっぴきならぬ葛藤、
自我の危機と真向かっているときに、
この種の夢の世界が立ち現れる。

こころの呼びかけに応えるように。

しかし、そこに人間の感情はない。
 

教室に通い始めた頃が特に多かった。

僕は、精神世界で、大きな失敗をして、
教室へころがり込んで来たため、
その葛藤たるや尋常でなく、
不安定な精神状態もあいまって、
ほぼ病人であった。


ただ、溺れかけではあるものの
意識は残っていた。

ゆえに景代先生から、
意識を保ち、
葛藤から逃げないようにご指導を頂いていた。

決意していた僕は、自らそれを望んだのだ。

 葛藤を越えたあとで、
ひとつの夢を見た。

祖母とふたりで暮らした暗い家のなか、
僕は、白い産着を着たきれいな赤ん坊を胸に抱いている。
目を閉じた美しい赤ん坊は、
暗い部屋のなかですべてを僕に委ね、眠っている。
僕の胸に、誕生の喜びが静かに押し寄せる。
美しい無音の世界とともに。

 次なる葛藤を迎えた。

いじめられっ子であるという
自分の姿の受容だった。

僕はそれと向き合う苦痛の日々と対峙していた時、
夢を見た。

宇宙の青い空の下を、僕はひとり歩いている。
異世界への旅。

黒いコートのようなものを羽織っている僕は、
少年の旅人らしい。

果てしない宇宙へと広がる異世界の空を見上げた。
金色に輝く巨大な不死鳥が、
翼をはためかせながら悠然と飛んでいく。
その姿の周りを、光の輪が輝く。
それは閃きながら円を描く雷光であった。
目を落とした僕の左手には、
赤い林檎が握られている。

 この葛藤は、途中で終わり、
このとき、越えるには至らなかった。
ゆえに夢に次の展開はなく、そこで終わった。


 僕は電車に乗っている。
そして車窓から見える風景と、路線図を見比べている。
おかしい。
列車内に書かれている路線図は、
行きたい場所から遠ざかって行くはずなのに、
車窓の風景は、僕の行きたい美しい山が、だんだんと近づいている。
どうしてだろう? 
と僕は、また見比べる。
そしていよいよ信じられなくなり、
乗り換えるために停車した駅で降りた。
そのまま駅の改札を出たのだが、そこで立ち止まった。
振り返った僕は、駅員に申し出て、やはり駅構内に戻った。
そして停車する列車の路線図を見ながら、
もう一度、列車へ乗ろうかどうか迷っている。
遠ざかるはずなのに、美しい山へと近づいていく
奇妙な列車の前に立ち尽くしながら。


 僕は、その頃、
自分の影なる受容し難い自分の姿との葛藤をしていた。
天を目指すはずの僕は、
真逆である地獄行きの自分を
見つめることになったのだ。
しかし、夢は、その真の道順を教えている。



 葛藤の起こるたび、
景代先生にたすけて頂いた。
それは、ほんとうにありがたいことで、僕は葛藤へと立ち向かい、
そして、スタコラとよく逃げ出した。

自分のこころと向き合うことほど恐ろしことはない。
景代先生は、無意識と真向かい、
自我の葛藤をする人をすぐに察知し、
成長への道筋を辿らせてくれた。
本人の決意と自由意志においてだが。


 他にも多くの夢を見た。
僕の実家は、事情があってなくなってしまったのだが、
そのなくなったはずの家の跡、
生い茂る草むらから、トンッカンテツッと家を建てる金づちの音が響いている。
見れば、懐かしい青空の下、
まっしろい家が、建ち始めているのだ。
新しい自我の構築。

それは再生であった。



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