大きな海の中で、枠に入ったままの青い魚
NAYヨガスクール体験記 29
       小林和之
直線上に配置

チャクラ

 

 

 

イメージの坩堝のようなこころ。

混沌とした
その宇宙のなかに
僕はいた。

教室へ行く半年ほど前のことで、
以前の体験記にも書いたように、
僕に落雷のような衝撃を与えた
「BIG
ME〜こころの宇宙の座標軸〜」はまだ、
物置にしまっておいたままだった。

けれど、他の景代先生の著書はすべて読んでいて、
なかでも「冥想〜こころを旅する本〜」の
「こころを開く」にまつわる項は、
なぞるように何度も読んだ。

19歳の僕は、
地を這うようなこの世界から、
息苦しい嘘と混沌のこの場所から、
きれいな羽を手に入れて、
飛び去りたいと願っていたのだ。

鳥のように自由に。

「こころを開く」は、
そのための唯一の方法に思えた。

しかし、どうしたらいいのか? 

僕にはさっぱりわからない。

ほとほと疲れていた僕だったが、
けれど、実は、平行して
こころ魅かれる項目があり、
吸い込まれるように、興味はそちらへと移行していた。

「チャクラ」についてだ。


「チャクラ−こころの七段階」

「冥想の中心」

「想念波動」

「メンタルボディ」

の項の中に、
チャクラと波動の作用について
詳しく書いてある。

 

各段階のこころは、
   それぞれ、波長の違う〈想念波動〉を、
       チャクラから放射しています。 》 

         文中より
「冥想〜こころを旅する本〜」

 

こころの作用を司る7つの輪。

 チャクラ。

しかもその七つの作用は、
それぞれに対になっているという。

そして誰しも中心になって働かせているチャクラが
ひとつあるらしい。

おのずもがな、僕は、自分に作用を及ぼしているだろう、
中心となるチャクラは何か? 
を考えた。

はたから見れば、どう考えても、

マニプラ・チャクラのタイプなのだが、

当時の僕は、みえっぱりで、
ついでに自分を客観視するのも苦手だったらしく、

「僕は、きっと、
(こころの成長段階に応じているという)
上の方のチャクラを働かせている人だろう」

と都合のいいことを考えていた。

 

しかし、それは、
「BIG
ME〜こころの宇宙の座標軸〜」の読書体験も加わり、
次第に変わっていった。

 

《「知恵の木の実」を食べてしまった現代人は、
   カンサ・チャクラまで、
     こころが、下から上へ成長してきたのです。》   


     文中より
「冥想〜こころを旅する本〜」

 

 この言葉に、
 自分ひとりではないような、
 とてつもなく遠い過去から、現代まで、連綿と続く
  
 人類のこころの成長の歩みのようなものを感じていたし、

 上の方のチャクラの波動は、
 しだいに、冷たく、つまらないものに思えていた。

 (価値の否定ではなく)分相応過ぎて、
 実のところ意味の理解が出来ず、
 ほんとうの僕の求めるものと違うことに、
 気づいていったのだと思う。

 等身大の素直な自分が今、
 ほんとうに求めているもの。

 耳を澄ませば、
 こころのなかからピョコリ、と顔を出す望み。

 それは別のものであった。

景代先生の「冥想〜こころを旅する本〜」を
くりかえし読むことで、僕のこころに、
何かが作用されて行く。

紫陽花の色が変わり、季節が夏へと向かう頃、
僕は、このチャクラの項を読みながら、
楽しい想像をしていた。

僕は、七つのチャクラのなかで、
ひとつを選ぶのなら、
アナハタ・チャクラがいい、そう思ったのだ。

それは大きな発見だった。

やっと帰るべきところに帰れたような、

落ち着く場所へ
こころの着地ができた瞬間だった。

 

アナハタ・チャクラ。

さまざまな色を隠し持つ金色の炎(光)。

すべての調和を司る両性具有の神の座。

それを望み、願った夜のことを、
僕はよく覚えている。

祖母のいなくなった居間にひとり座り、

薄暗い部屋のなかに灯る柔らかい光を思い描くように、
そう思ったのだ。

 

僕は、久しぶりに安心していた。

 本屋で冥想の本を見つけ、

 手に取り、ほっとしたときの

  こころとまったく同じになっていた。

 

 人のこころを開いていく

 美しい詩のような

   『冥想〜こころを旅する本〜』

 

しかし、信じられないことはただひとつ、

 この人が、
 
 あの
『BIG ME〜こころの宇宙の座標軸〜』を書いた

 同一の人物ということだった。

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 ※追記

《人のこころを開いていく
     美しい詩のような
   『冥想〜こころを旅する本〜

しかし、信じられないことはただひとつ、
 この人が、
  あの『BIG ME〜こころの宇宙の座標軸〜』を書いた

      同一の人物ということだった。》
                  と書く、和之さん。


当時、19才の若者だった、和之さんは、
冥想 〜こころを旅する本〜』は、好きでも、
《同じ》著者の作品、
BIG ME〜こころの宇宙の座標軸〜』は、大嫌い。

途中まで読んで、放りだし、
物置倉庫に入れて、鍵(かぎ)をかけて、
見ないことにしたそうです。
以前の「NAYヨガスクール体験記」に、書いてくれました。

…お気持ちは、よくわかります。
いろいろな読者に、よく、いわれますので。

著者・内藤景代(Naito Akiyo)のお答えは、

「それこそが、
 〈7つのチャクラ〉の波動のちがいです」

2つの本は、基本トーンの、波動がちがい、
動くチャクラ、刺激されるチャクラが、
ちがうように、書いてあるのです。

多層的な世界は、外部の世界だけでなく、
ご自分の内部にもまた、
上下(|)に並ぶ〈7つのチャクラ〉の波動のちがい
として存在する、ということに気づいてほしかったのです。

もちろん、今の、和之さんは、おわかりですが、
許容範囲(自分の「うつわ、キャパ」)が、まだ狭い、
十代のむかしは、さぞ、きつい体験だったでしょう。

「多層的な世界観を呼吸する」という、
新刊の『意気の呼吸法-001』も、いろいろなチャクラを刺激します。

わたし達は、
「多重・多層的に生きている人間存在 human being」ですから。

それで、
普遍的な、こころの旅、
意識化のプロセスとして、

今、現在も、わたしの本を読んで、
和之さんと同じような体験をしているかたが、
いらっしゃるかもしれません…。

そこを、突破してくださると、
こころだけでなく、チャクラもまた、大きく花開くのですが。

13.10.2            内藤景代(Naito Akiyo)・記

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