NAYヨガスクール体験記 24 小林和之 |
人ではない何かが、
春の日。
見覚えのある服を着た鬼。
春、人の吐いたうその申し子たちが歩く。
鬼は泣いている。
鬼は笑っている。
白痴のように。
憐れな鬼よ。おまえはまだ家に帰れない。
春の風が吹く花祭りの日。
気の狂った笑い声とともに。
それとともに、どこからか、
「いっしょに帰ろう
僕は驚きに包まれながら、
「そうしよう、あたりまえだろう」と。
歓声にふりかえれば、
いったい、僕は、
そしてまた、
子どもたちの笛の音が聞こえる。
何も思い出せない
まるで生まれる前の記憶をたどるように、
ただ何か、満たされぬ懐かしみの想いだけが、
つい今しがたまで一緒にいたのだ。
花びらの舞う桜の季節に、
繰り返される子どもたちの
鼓笛隊の少年と少女。
風に舞う春の怨霊たち。
息をひとつ吸い
「もうすぐ迎えに行くから」と。
こう言いながら、僕は迷うだろう、
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修羅は、鬼。
「俺は、ひとりの修羅なのだ」
と書く、賢治。
枯れていたような古木にも花が咲き、新芽が芽吹く、春。
春は、もの狂おしく、 「阿修羅(あしゅら)」が、こころの中にいるという感覚や、 |